Japanese
English
特集 視神経脊髄型MS(視神経脊髄型多発性硬化症)
Neuromyelitis optica(Devic病)と視神経脊髄型MS
Neuromyelitis Optica (Devic disease) and Optic-Spinal form Multiple Sclerosis
宮澤 イザベル
1
,
藤原 一男
1
,
糸山 泰人
1
Isabelle Miyazawa
1
,
Kazuo Fujihara
1
,
Yasuto Itoyama
1
1東北大学医学部神経内科
1Department of Neurology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
Devic disease
,
neuromyelitis optica
,
multlple sclerosis
,
optic-spinal form multiple sclerosis
,
disseminated encephalomyelitis
Keyword:
Devic disease
,
neuromyelitis optica
,
multlple sclerosis
,
optic-spinal form multiple sclerosis
,
disseminated encephalomyelitis
pp.901-910
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901841
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はじめに
1870年にAlbutt1)が,脊髄炎に視神経病変が合併しうることを始めて記載した後,視神経炎を合併した脊髄炎が相継いで欧米で報告されてきた。本邦でも1891年に「急性脊髄炎,黒内障併発したるものの実験」という症例が青山胤道2)により報告されている。この症例は両側視神経炎と急性横断性脊髄炎を合併した34歳男性で,感冒が先行し,両眼失明と弛緩性対麻痺をほぼ同時に生じた症例であった。進行は速く,上行性脊髄炎が上肢におよび,呼吸筋麻痺にて4日目に死亡に至ったという。1894年に,Devic3,4)が一剖検例を発表した後に,弟子であるGault5はその症例と既に欧米で報告されていた文献中の16例をまとめて分析した。その後,Acchiot6)により1907年にDevic病という名前が提唱された。
このDevic病,すなわちneuromyelitis optica(NMO)は当時Devicの報告に基づいて,単相性で軽快あるいは死に至る疾病ととらえられていたが,実際の報告例の中には再発・寛解を繰り返す症例もみられた比較的まれな疾病である。その後も同様の報告が散見され,欧米では長年,NMOの定義および疾病分類学上の位置づけについて議論は残されたままであった7)が,最近Wingerchukら8)がMayo ClinicのNMO症例を,単相性と再発性の2亜型に分類し,その解析結果が報告された。
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