Japanese
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イラストレイテッド・サージェリー 手術編Ⅱ-88
上殿皮神経剝離術
Neurolysis for the Superior Cluneal Nerve Entrapment Neuropathy
井須 豊彦
1
,
金 景成
2
,
森本 大二郎
3
,
岩本 直高
4
,
山内 朋裕
1
,
松本 順太郎
1
Toyohiko ISU
1
,
Kyongsong KIM
2
,
Daijiro MORIMOTO
3
,
Naotaka IWAMOTO
4
,
Tomohiro YAMAUCHI
1
,
Juntaro MATSUMOTO
1
1釧路労災病院脳神経外科
2日本医科大学千葉北総病院脳神経外科
3日本医科大学脳神経外科
4帝京大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kushiro Rousai Hospital
pp.763-768
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200435
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はじめに
T11〜L5の後根神経由来の感覚神経である上殿皮神経が胸腰筋膜下を走行後,腸骨稜を乗り越える際に貫通する胸腰筋膜で絞扼され,腰痛(上殿皮神経障害による腰痛)が起こる.本稿では,上殿皮神経障害による腰痛の治療法として,われわれが行っている上殿皮神経剝離術を紹介する.
診断
MRI,CTなどの画像では診断ができないため,特徴的な臨床症状(立ち上がり,寝返りなどの体位変換時に腰痛が誘発,悪化することが特徴であり,座位,起立,歩行,中腰で悪化することもある)に加え,後正中より7〜8cm外側の腸骨稜上に圧痛がみられ,圧痛部位の神経ブロックにて75%以上の痛みの軽減が得られる場合に,上殿皮神経障害による腰痛と診断される.
手術適応
薬物治療,殿筋ストレッチなどの理学療法に加えて,神経ブロックでも効果が一時的で,治療効果が継続しない場合には,手術治療の適応となる.
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