Nomade
Surfer's myelopathyを経験した神経内科医
田代 淳
1
1北祐会神経内科病院
pp.761-762
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200434
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医師は自分の専門とする疾患で死ぬとはよく言われることだが,私は2年間の内科研修を終えて神経内科に入局して2年目,まだ専門とも言えない時期にsurfer's myelopathyを発症したことになる.
その時期に愛用していた神経内科の教科書には,「急性横断性脊髄障害はneurological emergencyのひとつで,早急適切な処置が予後を左右する大切な疾患である」という一文から始まる項目があり1),治療の考え方などについて大変な熱意を込めて書かれていて非常に印象的であった.ハワイの海で急に痛みとしびれが出て,立てなくなってしまったとき,どうしてそうなったのかという疑問に対する答えは浮かばなかったのだが,救急隊に訊かれたときに脊髄だと思うと答えることができたのは,その教科書の記述を思い出したからだった.
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