雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Spine & Spinal Cord Volume 36, Issue 12 （January 2024）

脊椎脊髄ジャーナル 36巻12号（2024年1月発行）

Japanese English

特集目で見て学ぶ脊髄・末梢神経疾患の診察法（動画付き）

第4章　非腰椎性腰殿部痛の診察

上殿皮神経障害・中殿皮神経障害・中殿筋障害 Superior/Middle Cluneal Nerve Entrapment Neuropathy and Gluteus Medius Muscle Pain 藤原史明 ¹ , 金景成 ² , 井須豊彦 ³ Fumiaki FUJIHARA ¹ , Kyongsong KIM ² , Toyohiko ISU ³ ¹白十字病院脳神経外科 ²日本医科大学千葉北総病院脳神経外科 ³釧路労災病院脳神経外科脊椎脊髄末梢神経センター ¹Department of Neurosurgery, Hakujuji Hospital キーワード：上殿皮神経障害 , superior cluneal nerve entrapment neuropathy , 中殿皮神経障害 , middle cluneal nerve entrapment neuropathy , 中殿筋障害 , gluteus medius muscle pain Keyword: 上殿皮神経障害 , superior cluneal nerve entrapment neuropathy , 中殿皮神経障害 , middle cluneal nerve entrapment neuropathy , 中殿筋障害 , gluteus medius muscle pain pp.934-938

発行日 2024年1月19日 Published Date 2024/1/19

DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202226

PDF(789KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside
参考文献 Reference

上殿皮神経障害

［1］はじめに

　上殿皮神経障害による腰痛は，体動や長時間の立位，歩行によって悪化する特徴がある．患者の47〜84％に下肢症状も伴うため，腰椎疾患と誤診される可能性がある^4,10）．また，20〜52％が両側性であることも腰椎疾患と紛らわしい原因になっているのかもしれない^4,18）．上殿皮神経障害による腰痛の頻度は1.6〜14％と報告されており，まれではない^10,13）．上殿皮神経障害を含む腰椎周辺疾患はfailed back surgery syndrome（FBSS）に併存していることもあり，ほかにも椎体骨折やパーキンソン病などに併発し腰痛の原因となっていることも報告されており，身近にある腰痛として認識されつつある^4,10）．