書評
MISt手技における経皮的椎弓根スクリュー法—基礎と臨床応用
竹下 克志
1
1自治医科大学整形外科
pp.239
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200328
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本書,『MISt手技における経皮的椎弓根スクリュー法』は日本で初めて経皮的椎弓根スクリュー(PPS)をターゲットとして記述された良書である.PPSはあまりに急速に発展したあまり,On-the-Job Trainingは精力的に行われているものの,知識としての教育が十分とはいえない状況にある.本書のように体系的に書かれたテキストは,多くの脊椎外科医が求めていたものである.さらに,脊椎外科医一人ひとりの臨床活動の位置づけと方向性を考える契機にもなるだろう.
脊椎外科での低侵襲化は消化器外科や心臓外科などほかの外科領域と比べて早くはなかった.除圧から始まった脊椎内視鏡手術はラーニングカーブの急峻さが指摘されて,一気に広まったとはいえない経過をたどった.一方,遅れて導入されたPPSに代表される最小侵襲脊椎安定術(MISt)では大きな違いがあった.患者の高齢化と併存疾患のために低侵襲への要請が高くなり,MIStに最適化された専用器械・インストルメントが次々と開発されていった.すなわち,需要と供給両面からの追い風があった.そして,今回執筆しているトップランナーである脊椎外科医の方々の貢献によってMIStは急速に広まっていった.
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