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特集 最小侵襲脊椎安定術(MISt)の実際
MISt手技とPPS(経皮的椎弓根スクリュー)システムの現状と未来
Present and Future of MISt Procedures and Percutaneous Pedicle Screw System
石井 賢
1
,
松本 守雄
1
Ken ISHII
1
,
Morio MATSUMOTO
1
1慶應義塾大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University School of Medicine
キーワード:
最小侵襲脊椎手術(minimally invasive spine surgery:MISS)
,
最小侵襲脊椎安定術(minimally invasive spine stabilization:MISt)
,
経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)
Keyword:
最小侵襲脊椎手術(minimally invasive spine surgery:MISS)
,
最小侵襲脊椎安定術(minimally invasive spine stabilization:MISt)
,
経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)
pp.442-448
発行日 2015年5月25日
Published Date 2015/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200133
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はじめに
2009年に最小侵襲脊椎手術(minimally invasive spine surgery:MISS)の一分野の位置づけで最小侵襲脊椎安定術(Minimally Invasive spine Stabilization:MISt[ミスト])が提唱された16,20).MIStは,脊椎不安定性や脊椎変形によるインバランスの病態に対して,より低侵襲に固定術や制動術を達成することで脊椎の安定化を図るという新たな概念のもとに生まれたMISS手技である20).MIStの中でも特に注目されているのが,2005年に導入された経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)を用いた各種手術手技である.PPSはその低侵襲性と簡便性を特徴としており,今日では腰椎変性疾患のみならず骨粗鬆症性椎体圧潰などの外傷,転移性脊椎腫瘍,感染性脊椎炎などさまざまな病態に応用されている.現在までに20以上のPPSシステムが市場に導入されている.各システムの形状や特徴は異なるが,PPS刺入のコンセプトはすべてに共通する.すなわち,経皮的操作を用いて,より低侵襲にX線透視下あるいはナビゲーション支援下にPPSをガイドワイヤーに沿って刺入する点である.PPSシステムは過去10年間にわたり繰り返しの改良が加えられ,より小さく,手技も簡便となった一方で,すべりなどの矯正は容易となり急速に進歩した.本稿では,MIStの概念とPPSシステムの変遷,現状,ならびに今後の展望について述べる.
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