特集 Spinal dysraphism-最近の知見
特集にあたって
高安 正和
1
1愛知医科大学脳神経外科・脊椎脊髄センター
pp.81
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200022
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Spinal dysraphism(脊髄閉鎖不全症)は,脊索の発生過程の異状によって生じる疾患の総称であり,脊髄髄膜瘤や脊髄脂肪腫など多彩な疾患が存在する.これらは小児の脊髄疾患の中でも最も頻度が高く主要な疾患であり,主に小児脳神経外科や小児脊椎外科の分野において扱われる.しかし,治療法や管理が格段に進歩した現在,こういった患児の多くは成人期を迎えることになる.そこで,主に成人の脊椎脊髄疾患を扱うことの多い一般の医師にとっても,この疾患について十分に理解しておくことは日常臨床を行ううえで重要である.本誌では過去に3度ほど特集が組まれてきた(1988年1巻8号,1993年6巻8号,2002年15巻8号)が,最後の特集からすでに10年以上が経過しており,当時と比べ概念や治療方針などが変化している.
今回の特集においては,spinal dysraphismの原因と予防,診断,治療方針,外科治療など幅広いテーマにおいて各専門家に最近の知見をまとめていただくことができた.読者の皆様にお役立ていただければ幸いである.
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