Nomade
一神経内科医の腰痛体験記
西澤 正豊
1
1新潟大学脳研究所
pp.683-684
発行日 2015年8月25日
Published Date 2015/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002200184
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もう7年近く前のことになる.ある夜,床に就くと,何かに感作されたのか,大きなくしゃみが数回続いた.何回目かのくしゃみのときに,腰に激痛を感じ,そのまま身動きがとれなくなってしまった.くしゃみをするたびに激痛が走るので,何とかくしゃみをしないように我慢しながら朝まで待ったが,寝返りも,立ち上がることもできない.這うようにして,ペインクリニックの外来を受診し,局麻薬にステロイドを加えたブロック注射を受けて,そのまま入院となってしまった.
急な腰背部痛は3度目だった.初回は,小一時間,車を運転した後,運転席から降りようとしたところ,腰に重い鉛を入れられたような腰背部痛を感じて動けなくなった.リハビリ科で杖を借り,伸縮するスポーツタイプのコルセットの装着を勧められたが,痛み自体は数時間で落ち着いた.2度目は学会で滞在した新大阪駅前のホテルで,朝,目覚めると,強い腰背部痛のために起き上がれなくなっていた.ホテルのベッドが非常に柔らかく,体が沈むように感じながら就寝した翌朝だった.このときはタクシーの運転手さんが貸してくれたコンビニの傘にすがりながら何とか歩いて,すぐに自宅に戻った.2度目も強い痛みは半日程度で自然に軽快したが,いずれも10年以上前の出来事で,その後はすっかり忘れていた.
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