Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
高齢者の高度腰椎後側弯の問題点として,腰痛,逆流性食道炎,歩行障害が指摘されている.手術療法としては多椎間transforaminal lumbar interbody fusion(TLIF),posterior lumbar interbody fusion(PLIF)などの後方矯正固定術,pedicle subtraction osteotomy(PSO),vertebral column resection(VCR)などの骨切り後方固定術が報告されている.前者では矯正率の問題,また後者では良好な矯正率が得られるが,骨粗鬆症がある高齢者では不安定性による骨癒合不全,インプラント折損,出血などの問題点が報告されている.
低侵襲前方固定として,2001年にextreme lateral interbody fusion(XLIF)が報告された.XLIFは完全側臥位にて腸腰筋の真横からアプローチする方法である(図1).矯正に関して有用性が報告されているが,腸腰筋の操作,もしくは脊髄神経への侵襲から術後27%の患者に大腿から下腿に何らかの症状が出現すると報告されている.一般的にはリアルタイムの筋電図のモニタリングが必須とされるが,それらを用いても術後62%の患者に何らかの下肢に合併する症状が報告されている1,2).これらのことを解決するために,低侵襲にやや斜め前方から進入するoblique lateral interbody fusion(OLIF)法が報告された(図1)7).このシリーズでは179症例に対する有用性が示されたが,バナナ形状のケージを使用しており,その矯正力には限界があった.
近年さらにケージやインプラントの改良が加えられ,OLIF system(OLIF25)とcage(Clydesdale Spinal System)が開発された.前方術式は1椎間5〜8度の後弯矯正が可能とされる(図2).本稿で,これらを使用した①間接除圧による手術,②脊柱変形に対する手術,③起こり得る合併症に関して述べたい.
Copyright © 2015, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.