Chiari奇形の分類

Classification of Chiari Malformation

はじめに

　1891年オーストリアの病理学者Hans Chiari（1851〜1916）が，小脳扁桃の下垂を伴うさまざまな菱脳の形成異常に対し，Chiari奇形（Chiari malformation）という疾患名を提唱した^8,9）．当初，Chiari奇形はⅠ，Ⅱ，Ⅲ，Ⅳ型の4型に分類されたが，その後，解剖学的にも臨床症状からも，これら4型に当てはまらないvariantが存在することがわかり，Chiari 0，1.5，3.5，Ⅴ型奇形が追加で報告された^{10,12,23,25）}．本稿では，日常診療で遭遇する可能性の高いChiari Ⅰ型およびⅡ型奇形を中心に，Chiari奇形の分類について解説する．