Japanese
English
特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)
Chiari奇形に対する手術例の検討
Surgical Treatment for Chiari Malformation
伊藤 淳二
1
,
原田 征行
1
,
植山 和正
1
,
佐藤 隆弘
1
,
三戸 明夫
1
,
田 偉
1
,
鈴木 重晴
2
Junji Ito
1
1弘前大学医学部整形外科
2弘前大学医学部脳神経外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
キアリ奇形
,
Chiari malformation
,
手術治療
,
surgical treatment
,
脊髄空洞症
,
syringomyelia
,
後頭下減圧術
,
posterior fossa decompression
,
脳脊髄液シャント術
,
cerebrospinal fluid shunts
Keyword:
キアリ奇形
,
Chiari malformation
,
手術治療
,
surgical treatment
,
脊髄空洞症
,
syringomyelia
,
後頭下減圧術
,
posterior fossa decompression
,
脳脊髄液シャント術
,
cerebrospinal fluid shunts
pp.367-371
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901597
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抄録:Chiari奇形を合併する脊髄空洞症の手術例30例について検討した.術式は後頭下減圧術のみ3例,シャント術のみ4例,両者併用群が23例であった.術後の症状は21例(70.0%)で改善した.脳神経症状は術前21例(70.0%)に存在し,7例(33.3%)が改善したのみであったが,顔面知覚異常は12例中6例(50.0%)が改善した.両者併用群では23例中17例(73.9%)が改善し,脊髄に不可逆性変化が起こる前に手術することが肝要である.後頭下減圧術では術後のクモ膜炎を起こさないことが重要であり,骨性除圧ないし硬膜処置にとどめる.シャント術は本症には侵襲の少ない空洞-クモ膜下腔シャント術(syringo-subarachnoid shunt)が空洞縮小に有用であるが,シャント不全の可能性があり,原因治療とされる後頭下減圧術の併用が望ましい.
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