Japanese
English
特集 頭蓋頸椎移行部病変
Chiari奇形に対する治療
Treatment for Chiari Malformation
安原 隆雄
1
,
佐々田 晋
1
,
石田 穣治
1
,
金 恭平
1
Takao YASUHARA
1
,
Susumu SASADA
1
,
Joji ISHIDA
1
,
Kyohei KIN
1
1岡山大学脳神経外科
1Department of Neurological Surgery, Okayama University Faculty of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences
キーワード:
硬膜形成
,
dural plasty
,
小脳扁桃切除
,
cerebellar tonsillectomy
,
大孔部減圧術
,
foramen magnum decompression
Keyword:
硬膜形成
,
dural plasty
,
小脳扁桃切除
,
cerebellar tonsillectomy
,
大孔部減圧術
,
foramen magnum decompression
pp.267-273
発行日 2024年5月16日
Published Date 2024/5/16
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202300
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
2023年12月末日現在,‘Chiari malformation’をPubMed検索すると,1938年のAringの報告1)を皮切りに,5,698件の論文がhitし,2010年以降が2,979件,2023年は314件と,いまだに議論が尽きない病態であることがわかる.Chiari奇形は4型に分類され6),成人や小児期に発症することが多く脊髄空洞を半数以上で合併するⅠ型が最も多い.次いで,乳幼児期に発症することが多く,水頭症や脊髄髄膜瘤を合併するⅡ型がそれに続く.本稿では,臨床家が最も遭遇する可能性が高いChiari Ⅰ型奇形をChiari奇形として以下表記し議論する.
外科治療については,谷ら13)が2008年に報告しているように,大孔部減圧術+C1椎弓切除が行われることが多いが,硬膜形成の方法や小脳扁桃切除に関しては,いまだ議論が分かれる部分もある.本稿では,最近の報告からChiari奇形の病態や治療について概説し,私たちの試みについて症例を交えて報告する.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.