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特集 精神科作業療法最前線
これからのメンタルヘルスの課題と作業療法士の役割
A problem of mental health in the future and role of the occupational therapist
香山 明美
1
Akemi Kayama
1
1東北文化学園大学
pp.1410-1415
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203620
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Key Questions
Q1:地域共生社会とは?
Q2:これからのメンタルヘルスの課題とは?
Q3:これからの作業療法士の役割とは?
はじめに
2004年(平成16年)9月に策定した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」において示された「入院医療中心から地域生活中心」という理念に基づき,さまざまな施策が行われてきているが,必ずしもその成果が出ているものばかりではない.統合失調症等を中心とする精神科病院における退院促進が一定程度進められ,入院者が徐々に減少してきている一方で,認知症等の入院者が増加傾向にあったり,うつ病や発達障害,依存症等,多彩な疾患や障害の外来患者数は増加してきており,精神科医療機関の役割も大きく変化してきている.「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築1)や,地域共生社会の実現に向けた取り組みは,上記の課題を包摂するものになっていく必要がある.
本稿では,国の地域共生社会の実現に向けた動き,「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築に向けた動き,さらに生きづらさを抱える犯罪加害者への支援の考え方等を紹介し,このような情勢の中で作業療法がどのような役割をもつのか整理する.
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