連載 わたしたちのキャリアの歩み・第4回「進学」編
大学院での経験を通じて人に貢献する
廣瀬 卓哉
1,2
Takuya Hirose
1,2
1湘南慶育病院
2吉備国際大学 保健福祉研究所
pp.915-919
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203910
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私は臨床経験11年目の作業療法士です.現在は身体領域の回復期病院に勤務しています.臨床経験6年目から大学院に進学し,修士号ならびに博士号を取得しました.本稿では,私が大学院に「進学」するまでの経緯や,大学院を修了するまでのプロセスを振り返り,臨床に従事しながら大学院で学ぶことの意味や意義について考えていきたいと思います.キャリアの一つの選択肢として大学院への進学を検討している方や,何かにチャレンジしたいと考えている方のお役に立つことができましたら大変嬉しく思います.
さて,作業療法の実践の中でさまざまな知識を「使うこと」が重要な場面に遭遇することが多いかと思います.同じ医療の文脈として,根拠に基づいた実践(evidence-based practice:EBP)では,エビデンスを「つくる,伝える,使う」の3つの視点で捉えることが提案されています1).これらの視点を作業療法の実践に置き換えると,クライエントの作業という複雑で個別性の高い事象を支援するために,作業療法の専門的な知識に加えて,さまざまな知識を「使うこと」が求められているのではないかと考えています.
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