連載 患者の死と向き合うために・第5回
グリーフケアにおける作業療法
田尻 寿子
1
,
臂 美穂
2
,
窪 優子
3
Hisako Tajiri
1
,
Miho Hiji
2
,
Yuko Kubo
3
1静岡県立静岡がんセンター
2公立みつぎ総合病院
3広島大学病院
pp.1185-1190
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203993
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悲嘆(グリーフ)ケアとは
小此木1)は,愛着や依存の対象を失う体験を対象喪失(object loss)と呼び,身体の一部分や自己イメージの喪失等と関連するリハビリテーションの分野でも重要視されてきた概念である.
喪失に対する心理的,身体的,行動的,スピリチュアルな反応を「悲嘆(grief=グリーフ)」といい2),喪失の中でもとりわけ大きな心理的,身体的反応を伴うのが,「死別(bereavement)」であるといわれている3,4).愛する人,重要他者(significant others)との死別は,自分のコントロールの範疇を超えた衝撃的な出来事となる場合がある3).
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