増刊号 テクニカルエイド—つくる自助具・使える自助具
第4章 つくる編
1 つくるために必要な視点—作業療法士らしいモノ作りとは?
松本 琢麿
1
Takuma Matsumoto
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.766-771
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203873
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はじめに
国は重度な要介護状態となっても“住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができる”よう医療・介護・予防・住まい・生活支援が,包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の構築を実現することを目標としている.
近年,家族の介護力低下や介護人材の不足が叫ばれる中,高齢者や障害児者が住まいで暮らすためには生活自立度を維持・向上し,介護負担を軽減させるような生活環境の調整が必要となる.自助具や福祉用具を適切に利用し,必要な住宅改修を行い,日常生活や社会参加を促すことができる作業療法士が,地域包括ケアに貢献できる専門職として注目されている.
しかし業務の煩雑さによって,安易に市販品や業者を紹介する等,自助具をつくれない・つくらない作業療法士や,モノ作り・モノ選びにこだわりをもたない作業療法士が増えつつあるのではないだろうか?
今回は,作業療法士が自助具を「つくるために必要な視点」として,①作業療法士らしいモノ作りとは,②モノ作り・モノ選びのプロセス,③モノ作り・モノ選びに至る評価,④用具利用のエビデンスとリスク管理 について,事例を通して述べたい.
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