増刊号 テクニカルエイド—つくる自助具・使える自助具
第1章 総論:「つくる」その前に知っておいてほしいこと
4 自助具にまつわる制度について
宮永 敬市
1
Keiichi Miyanaga
1
1北九州市保健福祉局 地域リハビリテーション推進課
pp.673-678
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203853
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はじめに
日本で「自助具」という言葉が公的に使われはじめたのは1960年代であり,欧米から持ち込まれた“self-help device”という言葉を直訳したものといわれている.その後,1970年代に入り,バリアフリーやノーマライゼーションが浸透し,福祉用具の普及が進むとともに,自助具も広く認知されるようになった.
しかし,車いすや介護ベッド等と異なり,自助具を公的支援の対象とした制度はほとんど聞かれない.そもそも自助具については公的な定義がされておらず,対象範囲についても曖昧なところがある.また自助具は,当時から作業療法士が対象者一人ひとりの障害状況に合わせて手作りで製作してきた経緯があり,一般的に普及している用具ではなかった.
このような中,自助具の認知度が高まるにつれて,商品化される自助具が徐々に増え,今では多くの種類が揃えられており,市販品による活用の幅が広がってきている.
本稿では,制度上の自助具の位置づけや現状についてお伝えしたい.
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