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症例報告
本人・家族・作業療法士間での定期的な目標共有が本人の主観的QOLを向上させた事例
Shared Decision-Making among patient, family and OT improved patient's QOL: A case report
佐竹 祐輝
1
,
袴田 巌
1
,
大庭 健嗣
1
,
泉 良太
2
Yuki Satake
1
,
Iwao Hakamata
1
,
Kenji Oba
1
,
Ryota Izumi
2
1すずかけセントラル病院
2聖隷クリストファー大学
キーワード:
QOL
,
家族
,
目標共有
Keyword:
QOL
,
家族
,
目標共有
pp.639-643
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203842
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Abstract:近年,作業療法士によるQOL研究や評価法が報告されており,QOLを向上させる要因の一つとして,意思決定支援ツールを使用した目標共有を行うことが重要であるといわれている.しかし,目標共有を行う際に,家族が共同して参加している報告は少ない.今回,小脳出血により失調症状と動的立位バランスの低下を呈した事例に対し,ADOCを用いて定期的に本人・家族・作業療法士間で目標共有することで,本人と家族の大切な作業活動を共有することができた.目標共有をした際に,家族から新たな希望を聴取することで,本人と家族の大切な作業活動が更新され,継続したアプローチが可能となった.その結果,ADOCの遂行度と満足度は向上した.SEI-QoLでは,本人が重要としていた「家族」のレベルや重みが向上し,選択された5つの生活領域の中で一番比重の高い項目へと変化がみられた.以上より,本人・家族・作業療法士間での定期的な目標共有は,本人の主観的QOLを向上させることが示唆された.
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