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特集 脊髄損傷と作業療法
脊髄損傷の発生状況と作業療法士への期待
Epidemiological characteristics of spinal cord injury and expectation for the role of occupational therapists
横山 修
1
Osamu Yokoyama
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.560-564
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203822
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Key Questions
Q1:脊髄損傷の疫学的変化は?
Q2:脊髄損傷のAISによるFIMの違いは?
Q3:再生医療に向けて作業療法士の役割は?
全国調査による脊髄損傷の疫学的変化
日本における外傷性脊髄損傷の疫学調査はShinguら1)により1990〜1992年(平成2〜4年)に実施され,その後2018年(平成30年)にMiyakoshiら2)が実施し,日本の外傷性脊髄損傷の疫学は大きな変化をきたしていることが示された(表 1).発生頻度は100万人当たり39〜41人であったのが49人と若干の上昇を示した.平均年齢では48.6歳が66.5歳と大幅に増大し,中でも年齢分布では20歳と59歳の2峰性から70代の1峰性へと大きな変化を示した(図 1).
病変でも頸髄が75.0%,胸・腰髄が24.7%であったが,頸髄が88.1%,胸・腰髄が10.1%と頸髄がさらに多くを占めるようになった.Frankel分類ではAが33.0〜34.6%,Bが14.1〜18.1%,Cが25.8〜28.0%,Dが22.7〜24.9%とAが一番多くを占めていたが,2018年ではAが11.0%,Bが9.7%,Cが33.0%,Dが46.3%とDが一番多くなり,C,Dで8割近くを占めるようになった.
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