Japanese
English
特集 回復期リハビリテーションと作業療法
回復期のADL障害に対する作業療法士の役割と治療戦略
Role of occupational therapists and treatment strategies for ADL disorders in recovery phase
二瓶 太志
1
,
松本 優貴
1
,
飯塚 徳彦
1
,
野村 征吾
1
,
岡 徳之
1
,
酒向 正春
1,2
Futoshi Nibe
1
,
Yuki Matsumoto
1
,
Norihiko Iizuka
1
,
Masamichi Nomura
1
,
Noriyuki Oka
1
,
Masaharu Sakoh
1,2
1ねりま健育会病院
2ねりま健育会病院 回復期リハビリテーションセンター
pp.379-385
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203763
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Key Questions
Q1:回復期のADL障害に対する作業療法士の役割と治療戦略は?
Q2:重症,難渋症例のADL障害に対してどのようにかかわればよいか?
Q3:回復期のADL障害に対する作業療法の課題と展望は?
はじめに
回復期リハビリテーション医療においては,全身状態を管理し,積極的な立位歩行訓練とコミュニケーションを基盤にした“攻めのリハビリテーション”包括医療で,筋力,耐久性,認知・高次脳機能の改善を図り,歩行やADL能力の向上を目指し,在宅復帰後の社会参加を実現させることが重要といわれている1〜4).
作業療法士は,患者を地域に早く帰すことばかりではなく,その後の社会参加を見据えて,個々の患者の心身機能やADL能力を十分に改善させることを忘れてはならない.作業療法の独自性と強みは,学術的根拠に基づいた,患者にとって目的や価値をもつ「作業(生活行為)」に焦点を当てた治療,指導,援助であり,社会参加への主体性を高めることが可能である5).
本稿では,回復期リハビリテーション病棟における重症症例,難渋症例に対する作業療法経験から,回復期のADL障害に対する作業療法士の役割と治療戦略を考察していきたい.
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