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Key Questions
Q1:OJTにおける精神科作業療法計画の重要性とは?
Q2:精神科作業療法プログラムの均一化とは?
Q3:組織としてのOJTの必要性とは?
はじめに
筆頭筆者は2007年度(平成19年度),精神科単科の病院に県の定例人事異動で勤務することとなった.初めての精神科であり,まず先輩作業療法士に何をすればよいのかと相談したところ,①すべての患者に対し3カ月ごとにMini Mental State Examination(MMSE)を測定し,作業療法のプログラムを医師に報告すること,②病棟で4時間のプログラムを実施することであった.②については,9時30分に病棟に入り,50名の患者たちを順番にMMSEで評価,10時30分から病棟のデイルームで手工芸,12時から30分ほど必要な人の食事介助,13時30分から集団体操として,椅子座位でのストレッチ体操,指体操,歌,クイズを実施した.特に集団体操は,これまで介護予防を専門として地域の高齢者に必要な体操を組み立ててきた経験から,何を目的とし組み立てられた体操なのか質問したが,明快な答えを得られなかった.そのような中,病棟医から,「適当に患者さんを遊ばせておいてほしい.作業療法はよくわからないけれど,点数がとれるから,できるだけ稼いでほしい」と言われたことがとてもショックだった.
精神科作業療法の姿が実際の臨床の場面で明確になっていないのではないか.また,1単位標準2時間25人,1日2単位までという運用についても,その実際を近隣病院にも訊いてみたが,何をしているのか,よくわからなかった.何を目的に,何をしているのか,さっぱりわからなかったのが現状であった.
精神科作業療法の中での作業療法の治療内容の標準化,医師への「見える化」に取り組むことが課題であると考えられた.その取り組みの過程で行った当院におけるon the job training(OJT)について紹介する.
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