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特集 感染症と作業療法—新型コロナウイルス感染症を振り返る
感染症とは
What is infection
藤谷 順子
1
Junko Fujitani
1
1国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
pp.1222-1224
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203563
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Key Questions
Q1:感染症を病気としてどう考えればいいのか?
Q2:作業療法における感染予防の留意点は?
Q3:感染症患者の作業療法の留意点は?
感染症とは
感染症とは,病原体(病原微生物)が生体(人や動物等)内に入り,定着・増殖する等によって,侵入された生体(宿主)が不利益をこうむった状態,すなわち病気になることである.病原微生物としては,細菌,ウイルス,真菌,寄生虫等がある(サイズは,「ウイルス<細菌<真菌<寄生虫」である).
病気の中には伝染性があるものがあることから,感染症という概念は14世紀から存在し,ワクチンによる予防等も開発されてきたが,病原体(病原微生物)の確認は,光学顕微鏡が発明・改良され,細菌を観察することができるようになった19世紀になってからである.1873年にハンセン(Armauer Hansen:1841-1912)がらい菌を発見し,1876年,コッホ(Robert Koch:1843-1910)が炭疽菌を観察により発見,1880年,マラリア原虫(マラリアの原因),サルモネラ属菌(腸チフスの原因),1882年には結核菌が発見されている.そして,1929年に初の抗生物質のペニシリンが発見されたのをはじめとして,細菌に対する抗菌薬,あるいはウイルスに対する抗ウイルス薬などが開発されている.
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