Japanese
English
特集 呼吸リハビリテーションの新しい展開
新型コロナウイルス感染症
COVID-19
藤谷 順子
1
Junko Fujitani
1
1国立研究開発法人国立国際医療研究センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, National Center for Global Health and Medicine
キーワード:
新型コロナウイルス
,
COVID-19
,
腹臥位療法
,
Long COVID
Keyword:
新型コロナウイルス
,
COVID-19
,
腹臥位療法
,
Long COVID
pp.1073-1077
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202360
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
新型コロナウイルス感染症とは
SARS-CoV-2による感染症をCOVID-19(感染症法では新型コロナウイルス感染症)と呼ぶ1).SARS-CoV-2はⅡ型肺胞上皮細胞表面上のangiotensin converting enzyme-2(ACE2)に結合して細胞内侵入する.ACE2受容体は肺胞以外にも,血管内皮細胞(⇒血栓塞栓症の要因となる),心筋,膵臓など全身の臓器・組織に広く分布するため,肺炎を中核としてさまざまな症状が出現する.
初期症状は発熱・咳・息切れなどであり,80%は軽症のまま治癒,一部の患者で,発症から1週間程度で酸素投与が必要となり,さらに,集中治療室での治療が必要となる症例がある1).重症化率については,ウイルス変異株,途中の治療によって今後も変化すると考えられる.慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)や喫煙習慣はリスク要因とされているが,これらの状態では末梢気道におけるACE2受容体の発現が多いことも関係するとされている2).
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.