Japanese
English
症例報告
発症から35年経過後の遅発性放射線脊髄症事例の生活に必要な動作への介入
Interventions for activity necessary for the life of patient with delayed radiation myelopathy 35 years after the onset of the disease
稲田 雅也
1
,
山岸 誠
1
,
根本 明宜
2
,
水落 和也
3
,
中村 健
4
Masanari Inada
1
,
Makoto Yamagishi
1
,
Akinobu Nemoto
2
,
Kazuya Mizuochi
3
,
Takeshi Nakamura
4
1横浜市立大学附属病院
2横浜市立大学附属市民総合医療センター
3川崎協同病院
4横浜市立大学
キーワード:
がん
,
遅発性放射線脊髄症
,
作業療法
Keyword:
がん
,
遅発性放射線脊髄症
,
作業療法
pp.1096-1100
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203524
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Abstract:上咽頭がんの治療から35年後に頸髄に遅発性放射線脊髄症を呈した事例の作業療法を経験した.本報告の目的は,本疾患の経過とともにカナダ作業遂行測定(COPM)を使用し,本人が望む動作を再獲得できたことを報告することである.事例は60代女性,職業は専業主婦であった.事例は左肩の筋力低下を訴え,左からの起き上がり動作,左手を参加させた炊事動作を強く希望していた.作業療法では,COPMを使用し,達成したい目標を共有しながら進めた.内科的治療後から事例は左肩関節の自動可動域に改善を認め,自己効力感が高まったため,段階的に標的とする動作へ生活指導と実動作訓練を反復した.結果的に,上肢機能や上肢の能力,達成したい動作の遂行度,満足度に改善を認めた.本人の達成したい行動目標を共有し,段階的に障害側の上肢を参加させていく作業療法を実践することは,がん患者の望む動作を再獲得できる可能性がある.
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