特集 卒前,卒後の教育をつなぐ
扉
香山 明美
1
,
西出 康晴
2
1東北文化学園大学
2倉敷中央病院
pp.1021
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203501
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特集にあたって
学生時代,先輩の卒業式にて,ある先輩が「これから一生続く,作業療法の勉強が始まります」と挨拶されたのを聞いた.その後,数年して,その先輩が作業療法とは何かと訊かれ,「一生勉強して死ぬ前に,作業療法ってこういうものだったと思うのだろう.それまでずっと勉強です」と.多少大げさにも聞こえたが,OTとして,常に精進せねばならないことに変わりはない.
今回のテーマは,卒前,卒後をつなぐ教育である.このテーマを考えるとき,「連続性」,「シームレス」等といった言葉がよく用いられるが,何を意味するのか不明瞭である.養成校では,国家資格取得とその後の各種施設への就職,臨床活動への従事を想定し,教育する.現場では,卒後の研修であるが,それは新人OTや一人のOTの「今」からこの先の将来に向けた臨床や研究等のために,教育・指導していく.中には,将来のキャリアデザイン(たとえば,回復期病院での経験を経て,地域での作業療法に従事したい等)をもったOTには,その準備につながる経験ができるように教育指導する場合もあるかもしれない.OTが成長するためにはさまざまな教育を受けることと,あらゆる経験を豊富に積み上げること等,さまざまなことが必要だと思う.教育する者,受ける者,ともに次に,未来につながる「教育」を意識する必要がある.
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