増刊号 急性期における疾患別作業療法
第3章 急性期の運動器疾患の作業療法
3 循環器疾患の急性期作業療法
武田 智徳
1,2
Tomonori Takeda
1,2
1埼玉医科大学国際医療センター リハビリテーションセンター
2新潟南病院リハビリ部
pp.872-877
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203470
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心臓リハの目的
日本心臓リハビリテーション学会では「心臓リハビリテーション」の定義を“心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し,基礎にある動脈硬化や心不全の病態の進行を抑制あるいは軽減し,再発・再入院・死亡を減少させ,快適で活動的な生活を実現することをめざして,個々の患者の「医学的評価・運動処方に基づく運動療法・冠危険因子是正・患者教育およびカウンセリング・最適薬物治療」を多職種チームが協調して実践する長期にわたる多面的・包括的プログラムをさす”1)としている.
また,『2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン』2)(以下,ガイドライン)では,心臓リハの目的に,従来の「再発予防・長期予後改善」,「運動耐容能増加」,「QOL向上」に加え,「再入院防止」,「フレイル予防」,「抑うつ改善」が追加された.さらに,構成要素に,①医学的評価,②運動療法,③患者教育,④カウンセリングに加え,⑤疾病管理が追加された2).これらは急性期治療での完結は困難で,長期的に多職種での介入が重要であり,OTが心臓リハチームの一員としてかかわることが期待されている.
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