連載 循環器作業療法〜今,作業療法士がすべきこと〜・第3回
循環器病基本対策における回復期病院,心臓リハビリテーションにおける作業療法の重要性
武田 智徳
1
,
和泉 徹
1
,
小幡 裕明
2
Tomonori Takeda
1
,
Toru Izumi
1
,
Hiroaki Obata
2
1新潟南病院
2新潟大学大学院
pp.260-265
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590030260
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はじめに
超高齢社会の深化とともに心不全患者が急増している1).高齢心不全患者は他疾患を重複合併するばかりでなく,程度の軽重差こそあれフレイルも患う2).多職種連携による回復期アプローチが必須なゆえんである.
このような背景を受けて,2021年(令和3年)の心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン3)では,多職種連携が強調された.また,2022年(令和4年)の診療報酬改定では,回復期リハビリテーション病棟での心臓・大血管リハビリテーション(以下,心臓リハビリ)が初めて診療報酬算定(心大血管疾患リハビリテーション科)された.さらに心不全等の内部障害に起因する廃用症候群に陥った循環器病患者にもリハビリテーションを受けられる機会が与えられた.地域包括ケア病棟では心臓リハビリの診療報酬は入院科に包括されるが,リハビリテーションがひも付けされる.以上のきめ細やかな施策が浸透した結果,作業療法士は心臓リハビリを担うスタッフとして新たなタスクシェアを求められている.すなわち,循環器病基本対策下での回復期作業療法のあり方が問われはじめた.
以上の認識に基づき,ここでは心臓リハビリにおける回復期での作業療法の実際と試行について解説する.

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