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特集 病院における作業療法
療養病棟における作業療法の役割
The role of occupational therapy in the long term care ward
三瀬 和彦
1
,
前田 昴輝
1
Kazuhiko Mise
1
,
Koki Maeda
1
1甲府城南病院
pp.488-493
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200235
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Key Questions
Q1:療養病棟における作業療法の現状と課題とは?
Q2:「作業」を通した評価と介入とは?
Q3:療養病棟におけるOTの役割とは?
はじめに
今回,甲府城南病院(以下,当院)の療養病棟における作業療法実践を通して考えていることを症例実践事例とともに述べたい.療養病棟では,抱えている障害も含め,より対象者の個別性が豊かに溢れているのが特徴である.しかしながら,制度上,個別的に対象者に介入できる時間は少ないのが現状であり,重度の障害を抱えた対象者も多く,作業療法を展開していくことに難渋している.
地域包括ケアシステムの構築が積極的に進められている中で感じることは,人の生活や重要な作業をどのように抽出し,想像するか,またそれを実践するための連携や環境調整をどのようにしていくのかが非常に重要だということである.そう考えた場合,療養病棟における作業療法では(療養病棟だけでなく,機能分化されたさまざまな病棟においても変わらないことであるが),リハにおいて回復という視点も当然であるが,いかにその人らしい作業を実践できるかが重要であり,ここに作業療法の本質が多くあるのではないかと思われる.
本稿では,療養病棟である当院の特徴(重度の障害をもった対象者が多い)もあり,地域との連携や次の段階としての療養病棟での役割等については述べることはできないが,当院で考えていること・実践していることを軸に,作業療法(士)の役割について,私見を述べたい.
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