増刊号 急性期における疾患別作業療法
第1章 総論
1 急性期リハビリテーション治療の有用性とリスク管理
羽端 章悟
1
,
幸田 剣
1,2
,
寺村 健三
2
,
坂野 元彦
1,3
,
田島 文博
4
Shogo Habata
1
,
Ken Kouda
1,2
,
Kenzo Teramura
2
,
Motohiko Banno
1,3
,
Fumihiro Tajima
4
1和歌山県立医科大学
2和歌山県立医科大学附属病院
3那智勝浦町立温泉病院
4ちゅうざん病院
pp.772-777
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203452
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はじめに
臓器別医療の発展に伴い,疾病の治癒率は改善し,平均寿命が延びた結果,社会は医療に健康寿命の延伸を求めるようになった.医療への要望に救命のみならず,活動性の改善が加えられ,従来の薬物療法や手術療法だけでなくリハビリテーション治療の必要性が増した.2017年(平成29年),日本リハビリテーション医学会では,リハビリテーション医学について,疾病・外傷で低下した身体的・精神的機能を回復させ,障害を克服するという従来の解釈の上に立って,ヒトの営みの基本である「活動」に着目し,その賦活化を図る医学として再定義した.この考え方は急性期から回復期あるいは生活期において共通しているが,急性期では疾患の病態が安定していないため,これらを適切に把握するだけでなく,さまざまな医療機器類についての知識も必要である.
本稿では,急性期リハビリテーション治療の有用性,リスク管理について概論を述べ,脳血管障害と脊髄損傷の急性期リハビリテーション医療を紹介する.
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