増刊号 急性期における疾患別作業療法
第1章 総論
2 急性期のリハビリテーションと作業療法
髙島 千敬
1
Kazunori Takashima
1
1広島都市学園大学
pp.778-783
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203453
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はじめに
わが国における急性期の作業療法は,各種エビデンスを基に医療保険制度の中で発展してきた経緯がある.
1990年代から脳卒中の早期離床へのリハの取り組みの重要性が知られるようになったが,普及は十分とはいえなかった.その背景には,救急病院で急性期からリハを行うことで在院日数が長くなるという誤った認識があった.ただし,当時は急性期治療後の受け皿となる医療機関が整備されておらず,複数の因子が合わさり,そのような状況を招いていたとも考えられる.
これらを踏まえて,2002年(平成14年)の診療報酬改定では個別療法・集団療法の単位制が導入され,併せて「早期リハビリテーション加算」が新設された.不安定な病態にある患者を除けば,多くの疾患の急性期や術後早期からのリハ実施は,廃用を予防し,心身機能の改善や活動の拡大のために重要であることが,多くの医療職に理解されてきている.
本稿では,身体障害の急性期における作業療法の歴史やその役割,エビデンス,教育の現状等について解説する.
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