Japanese
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特集 訪問看護ステーションと作業療法—看取りも含めて
緩和ケアにおける訪問での作業療法の役割
The role of occupational therapy in palliative care at home visits
佐藤 恭子
1
Kyoko Sato
1
1川崎市立井田病院 在宅緩和ケアセンター
pp.446-452
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203364
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Key Questions
Q1:在宅緩和ケアにおいて作業療法ができることは何か?
Q2:在宅緩和ケアにおいて必要なリスク管理は何か?
Q3:看取りの場面において心がけるべきことは何か?
はじめに
2020年(令和2年)に行われた日本財団のWeb調査によれば,死期が迫っているとわかったときに人生の最期を迎えたい場所として,58.8%が慣れ親しんだ「自宅」と答え,次いで33.9%が「医療施設」と回答したという1).また,人生の最期をどこで迎えたいかを考える際に重視することについて,95.1%が「家族の負担にならないこと」と答えており1),自宅で亡くなることを希望していても,ADLが低下し介護の負担が大きくなったり症状が出現するようになったりすると入院等を希望することが多く,最終的に自宅で亡くなる人は12〜15%となっている2).
在宅緩和ケアが必要とされる疾患は,大きく「がん」と「非がん」とに分けられる.がんの終末期は,非がんの終末期と比べ,比較的経過が短く,最後の数カ月に急激にADLが低下し,疼痛や呼吸苦等の症状が出やすいという点で異なる.非がん疾患には,高齢に伴う老衰や神経難病,呼吸不全,心不全等が含まれるが,急性増悪と回復を繰り返しながら徐々にADLが下がることが知られている(図 1)3).
病状の進行や急性増悪によりADLが低下することはよくみられ,急性期病院や緩和ケア病棟から自宅に退院する際に在宅療養のサービスが導入される.より円滑な退院支援・サービス導入において,OTに求められる役割について提示したい.
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