講座 身体障害者補助犬を知ろう!・第1回【新連載】
身体障害者補助犬法施行後20年の歩み—補助犬育成,補助犬への理解,社会参加のためのアクセス権,および補助犬同伴拒否について
佐鹿 博信
1
,
橋爪 智子
2
,
馳川 ゆきの
3
Hironobu Sashika
1
,
Tomoko Hashizume
2
,
Yukino Hasegawa
3
1日本補助犬情報センター
2日本補助犬情報センター 事務局
3日本補助犬情報センター アクセシビリティ事業部
pp.256-264
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203309
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに:補助犬とは
身体障害者補助犬(以下,補助犬)は,身体障害者の自立と社会参加に資するものとして,「身体障害者補助犬法」(以下,補助犬法)に基づき訓練され認定された犬である.補助犬は,補助犬法第1章総則の第2条1)で定義されている(表 1).なお,盲導犬については,「道路交通法」2)(表 2)とその施行令3)(表 3)に1978年(昭和53年)から規定されている.
補助犬使用者が補助犬を伴って社会参加することを拒否(同伴拒否:補助犬を伴ってバス等の交通機関に乗車することを拒否したり,飲食店やコンビニエンスストアや病院等の施設に入って利用することを断ること)することは,社会参加する際のアクセス権を否定することであり,障害者の社会参加に対する差別である.これは補助犬法と「障害者差別解消法(2013年成立2016年施行)」(表 4)4)(以下,差別解消法)への違反である.
Copyright © 2023, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.