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Key Questions
Q1:埼玉県作業療法士会における地域支援の取り組みとは?
Q2:当事者の人と実際に取り組んだものとその工夫とは?
Q3:認知症支援「水平の関係」とは?
はじめに
厚生労働省1)によると,日本における65歳以上の認知症の人の数は2020年(令和2年)現在,約600万人,2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)になると予測されており,わが国における大きな社会問題の一つとなっている.これに対して2015年(平成27年)に厚生労働省が掲げた「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」(図 1)2)では,“認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す”とある.また2019年(令和元年)6月には国の閣僚会議にて「認知症施策推進大綱」3)が決定され,「共生」と「予防」を車の両輪とする考え方のもと,さまざまな認知症施策の推進が図られている.
現在,全国の自治体では地域の認知症サポーターがチームを組み,認知症の人や家族の生活面に対する早期からの支援を行う「チームオレンジ」4)をつくるべく取り組んでいる.これは自治体支援のもと,ボランティアで構成されるチームが直接的に認知症の人と家族を支援する新たな地域住民主体の仕組みであり,認知症の人と家族が地域で暮らしやすい街づくりを目指しているのが特徴である.認知症サポーターが新たな力をふるう場として期待される.
目下,筆者の勤務地である埼玉県において認知症の人の数は,2012年(平成24年)は22万5,000人であったが,2025年には40万人,2040年には58万人に達すると見込まれている5).東京都のベッドタウンとして成長を遂げた都市が多い埼玉県は,高齢化が深刻なペースで進行しており,対応は急務の課題といえる.
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