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アラカンを対象とした社会参加促進の取り組み―下松市の4年の歩みを振り返り,地域包括ケアに思うこと/アラカンに,活躍の場を!―下松市による還暦前後を対象とした社会参加促進活動
田原 浩子
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1下松市健康福祉部福祉支援課
pp.99-101,150-155
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200626
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下松市の概要
下松市(以下,本市)は,山口県の南東に位置し,面積89.35km2の瀬戸内海に面した気候温暖な地で,海岸線沿いに工業地帯を形成した,新幹線等鉄道産業をはじめとするものづくりのまちである(図1)。2015(平成27)年10月1日現在,人口5万5812人,高齢化率28.7%で,近年,市街地農地の宅地化が急速に進み,転入超過等で人口が微増している。しかし,少子高齢化は着実に進んでおり,本市の人口ビジョンの基本姿勢は,現状を楽観視せず,国全体の状況を踏まえ,いずれ人口減少の波が訪れるという危機感を共有し,より早期に対策に取り組むことが重要とされている。
2012(平成24)年に新設された長寿社会課内の保健師配置状況は,直営の地域包括支援センターに2人,介護予防と高齢者サービス等を担う長寿支援係に3人の計5人である。本稿で紹介する内容は,筆者が長寿社会課に在籍中の4年間の経緯である。
山口県下松市は,社会参加が介護予防につながることに着目し,還暦前後(アラカン)を対象とした講演会を実施。さらに社会参加しやすい環境づくりとして,流行歌に乗せて踊りながら市内活動団体等を動画で紹介する「下松恋するフォーチュンクッキー企画」を考案し,完成動画をYouTubeに公開した。ネットワークの強化や地域包括ケアにもつながっているという,アラカンを対象としたさまざまな社会参加促進の取り組みを紹介する。
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