増刊号 こんなときどうする? 運動器の作業療法ナビ
第3章 運動器の作業療法実践
5 外傷肘の術後リハビリテーション
野中 信宏
1
Nobuhiro Nonaka
1
1愛野記念病院 手外科センター
pp.794-798
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203061
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はじめに
ヒトは手によって,道具の把持や操作を行う.肩および肘,前腕は連動して,手の使用空間を拡大する.肘の機能は手の到達動作に加えて,整容動作,清拭動作,投球動作,時には体重を支える等,プッシュ動作にも活躍する.肘関節は再建困難な状態でも至適固定肢位が存在せず,通常,関節固定術は行われない.この点からも肘関節の屈曲伸展の可動性は手のパフォーマンスにとても重要なことがわかる.
本稿では,病院施設等でOTが比較的担当することが多い肘関節の外傷例に対する術後のリハについて述べる.骨,関節の外傷性疾患の術後リハを担当するうえでは,初期治療の知識,X線画像読影の知識,機能解剖学的知識,拘縮に関する知識が必要である.
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