Japanese
English
特集 刑務所から保護観察までの作業療法
社会参加へつながる刑務所での作業療法
Occupational therapy in prisons that leads to social participation
足立 一
1
Hajime Adachi
1
1高知リハビリテーション専門職大学
pp.300-305
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202927
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:受刑者の特性および障害者と高齢者の現状とは?
Q2:出所後の支援に向けて刑務所内で求められているとは?
Q3:出所後の支援に向けて刑務所内でOTができることとは?
はじめに
2007年(平成19年)ごろより,OTが刑務所で非常勤または外部講師としてかかわるようになり,2019年(令和元年)からようやく国家公務員として常勤雇用されるようになってきた.このころより,日本作業療法学会の一般演題では刑務所での作業療法に関する報告が複数みられるようになり,毎年開催される矯正施設の入所者等に対する作業療法研修会では参加者が100名を超えている.いよいよ刑務所という新たな領域での作業療法が現実的になってきた.
一方,わが国の刑法犯の認知件数は減少傾向にあり,2013年(平成25年)から毎年,戦後最低記録を更新している.近年は再犯防止対策が重視され,そのポイントに出所後の社会で「居場所」と「出番」をつくることが挙げられる.今後,OTが刑務所で活躍していくには,受刑者の刑期にもよるが,出所後の「居場所」と「出番」づくりへ何かしら役立つかかわりが求められる.今回は,刑務所での実践を紹介し,「居場所」と「出番」づくりへ少しでも役立つOTのかかわりについて報告する.
Copyright © 2022, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.