特集 刑務所から保護観察までの作業療法
扉
足立 一
1
,
香山 明美
2
,
竹内 さをり
3
1高知リハビリテーション専門職大学
2東北文化学園大学
3甲南女子大学
pp.299
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202926
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特集にあたって
わが国の司法領域の作業療法は,2005年(平成17年)の「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(医療観察法)の施行,2007年(平成19年)の「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」(刑事収容施設法)の施行からスタートした.その後,医療観察法での作業療法を中心に発展していったが,矯正施設に限定すると,本誌ではこれまで計5回も特集が組まれ,今回が6回目となる.2008年(平成20年)に掲載された最初の特集「矯正と更生の作業療法」(第42巻10号)では私も執筆させていただいた.
刑事収容施設法施行による処遇の変化から16年が経った.全国の矯正施設にかかわるOTは50名以上となり,国家公務員として刑務所へ常勤採用されるようにもなった.また矯正施設から更生保護へ活躍の場は拡大しつつある.今回の特集は,刑務所での作業療法実践を紹介するだけでなく,刑務所入所中から出所後の社会参加へ向けて,触法障害者や高齢者の置かれている現状と課題,実践を報告する.また地域生活定着支援センターや保護観察所等,まだOTは雇用されていないが,出所後の生活を支える重要な機関からOTへの期待も紹介する.本特集が司法領域へかかわる,または関心のあるOTにとって,自身の進路への希望がもて,挑戦するエネルギーを与えるものとなれば幸いである.
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