焦点1 触法精神障害者の「特別精神病院」構想を前にして
アメリカの「刑務所病院」に足を踏み入れて―『デブンス刑務所病院』
米山 奈奈子
1
1東海大学健康科学部
pp.54-59
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900692
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はじめに
フォーレンジック・ナーシングが知りたい
私は,去る2001年8月2日から12日までの10日間,ボストン在住の看護者である三原晴美さんとの共同企画で,アメリカ・ボストンでの精神看護研修を開催した。今回の研修の特徴は,近年注目されている「フォーレンジック・ナーシング」に関する施設見学および講義を取り入れたことである。
「フォーレンジック・ナーシング」とは,直訳するなら「司法看護」とでも訳されるかもしれない。法律と法的問題を抱える人々への看護である。北米では児童虐待・ドメスティクバイオレンス・レイプなどの犯罪“被害者”の看護を中心に発展しているが,イギリスなどでは「フォーレンジック・サイキアトリック・ナーシング」として,精神障害などによって犯罪“加害者”となった人への看護が主流となっている・
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