提言
作業療法士が高次脳機能障害の病態を理解する意義
大松 聡子
1
Satoko Ohmatsu
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院リハビリテーション部再生医療リハビリテーション室
pp.200-201
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202892
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
高次脳機能障害の病態なんて関係ないと思っていませんか?
「高次脳機能障害の診断はドクターの役割,複雑難解な病態を細かく考えることよりも対象者の作業に焦点を当て,できる課題,できる環境を見つけることのほうがよっぽど重要なんじゃないの?」といった意見をおもちの方が多いと思います.実際,対象者の困難を克服し,何とか好転できる方法を模索することは,OTに求められる役割であり,多職種連携の中での立場であることはいうまでもないでしょう.
評価を尽くして病態を理解できたとしても,それが即座に介入に結びつくとは限らない,という意見もよく耳にしますが,対象者の行動変容やADL向上のために臨床現場で試行錯誤されているOTにとってこそ,病態の理解や解釈が役立つと私は考えています.具体的にいうと,対象者の困難の背景にある/原因となる病態を的確に捉えることができれば,対象者の「できない」を「できる」に変えていくためのヒント(介入指針立案の有益な情報)になるのではないか,ということです.
Copyright © 2022, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.