Japanese
English
調査
高次脳機能障害患者に対する作業療法の実態と作業療法士の認識調査―作業療法士へのアンケート調査
A survey for the occupational therapy and the consideration of occupational therapists for neuropsychological dysfunction.
白石 英樹
1
,
伊藤 文香
1
,
小林 隆司
2
,
灘村 妙子
1
,
川田 尚美
1
Hideki Shiraishi
1
,
Fumika Ito
1
,
Ryuji Kobayashi
2
,
Taeko Nadamura
1
,
Naomi Kawata
1
1茨城県立医療大学作業療法学科
2神奈川県立保健福祉大学作業療法学専攻
1Department of Occupational Therapy, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences
2Division of Occupational Therapy, Kanagawa University of Human Services
キーワード:
高次脳機能障害
,
作業療法
,
アンケート調査
Keyword:
高次脳機能障害
,
作業療法
,
アンケート調査
pp.680-687
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100341
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はじめに
脳血管障害や頭部外傷後の患者において,身体機能に著しい麻痺症状を示さないにもかかわらず,その後のリハビリテーションや家庭・社会生活への復帰・遂行に何らかの支障をきたすことがあり,その要因として高次脳機能障害の存在がある1-3).近年,こうした患者において復職や就労できない症例4),復職後にトラブルを起こす症例5,6)の報告が多くなり,高次脳機能障害の問題がクローズアップされるようになった.この高次脳機能障害については,2001年度から厚生労働省による「高次脳機能障害支援モデル事業」による調査が開始され,2003年4月に中間報告が発表された7).
高次脳機能障害に対するリハビリテーションにおいて,臨床では作業療法士(OTR)がさまざまな方法にて訓練を実施し,高次脳機能障害や日常生活活動(ADL)の改善について報告8,9)している.しかし,その一方で,こうした高次脳機能障害へのリハビリテーション効果に関しては単一症例報告10-13)が多く,現時点においても効果的な治療法は確立したものになっていない14).そのため,臨床で治療・訓練に携わっているOTRは試行錯誤にて訓練を実施しているのが現状である.今回,われわれはOTRに対して,高次脳機能障害へのリハビリテーションについてアンケート調査を実施し,リハビリテーションの訓練内容や高次脳機能障害の改善状況,リハビリテーション効果などについて回答を求め,高次脳機能障害に対する作業療法の実態とOTRの認識状況について検討を行ったので,考察を加え報告する.
目的は,高次脳機能障害患者に対する作業療法の実態とOTRの認識状況を明らかにすることである.
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