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Key Questions
Q1:認知症サポーターキャラバンの意義と仕組みは?
Q2:認知症サポーターの自発的な活動とは?
Q3:第二ステージとしてのチームオレンジとは?
はじめに
本稿を執筆するにあたり,日本作業療法士協会のホームページ等をあらためて拝見して,OTの方々が認知症の人の生活の支援に深くかかわっておられることを再認識した.認知症初期集中支援チーム,通所リハや訪問リハ,介護老人保健施設,認知症治療病棟,地域包括支援センター等,さまざまな場で,また,多職種協働の重要なメンバーとして,OTの方々が活躍しておられることに深く敬意を表したい.
認知症の人の生活を支えるうえでOT等の専門職の支えが欠かせないことはいうまでもないが,認知症になってからもできるかぎり住み慣れた地域で普通に暮らし続けていけるようにするためには,より広範な取り組みが必要となる.生活のあらゆる場面で障壁を減らしていく「認知症バリアフリー」の推進がそれであり,政府の「認知症施策推進大綱」においても大きな柱の1つに掲げられている.
認知症のバリアは,認知症に対する偏見と理解不足から生じる.したがって,近隣住民から自治会,商店,金融機関,交通機関,小・中・高校生等,より多くの人々が,認知症は誰でもなる可能性のある病気であることを知り,その発症の仕組みや適切な対応を正しく理解することが,バリアを解消していく第一歩となる.正しい知識の普及によって誤解や偏見をなくしていくことは,認知症の人本人の意思を尊重するという最も基本的なことにつながっている.また,それぞれの地域で認知症への理解の下地がつくられ,本人・家族も含めて正しい理解が進むことで,おのずと早期受診・対応も可能となる.
こうした認知症への正しい理解の啓発を進めてきたのが,当法人が事務局機能を担っている「認知症サポーターキャラバン」である.
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