連載 医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・77
地域を繋ぎ“住み慣れた家への退院”を目指す
猿渡 進平
1
1医療法人静光園 白川病院 医療福祉連携課
pp.72-75
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102442
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当院の患者の80%以上は急性期病院や回復期リハビリテーション病院からの紹介入院であり,平均年齢は85.2歳である.入職後,療養型病院のMSWとして退院支援を行ってきたが,家族や介護保険サービス事業所は長期入院を望み,多くの患者が望む在宅退院には介護保険サービスのみでは退院に結びつかないのが現状である.結果,長期入院,施設への入所を検討せざるを得ない状況が続いていた.
そこで地域の連帯感を深めれば在宅への退院が可能ではないかと考え,平成19年から行政,地域住民と協働し高齢者が住み続けられる地域間の関係性の醸成を図り始めた.平成22年に地域福祉の向上を図るNPO法人しらかわの会を設立後,地域の高齢者の個別支援,誰もが利用できるサロンを立ち上げる.それに伴い退院支援にも多くの地域住民が関わることになり退院率も大幅に向上した.
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