増刊号 認知症と作業療法
第2章 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法の実際
18 —社会資源②—認知症サポーターキャラバンについて—認知症サポーター,キャラバン・メイトとは
牛尾 容子
1
Yoko Ushio
1
1介護老人保健施設ゆうゆうの園
pp.744-749
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200286
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認知症の有病率と新オレンジプラン
全国の認知症の人は,2012年(平成24年)時点で約462万人で,65歳以上の7人に1人とされていたが,2025年に最大で約730万人に上り,5人に1人に増加することが,2015年(平成27年)1月,厚生労働省の統計で発表された.
厚生労働省は2015年1月に「認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」とする7項目の「新オレンジプラン」を発表した.その中の第1項目として,「認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進」を挙げており,社会全体で認知症の人を支える基盤として,認知症の人の視点に立って認知症への社会の理解を深めるキャンペーンや認知症サポーターの養成,学校教育における認知症の人を含む高齢者への理解の推進等を図る.認知症サポーター養成システムは,わが国が世界に誇る普及・啓発の取り組みであり,わが国が医療制度のあり方として参考にしてきた英国でもこの制度を模した「認知症フレンズ制度」を導入したといわれている.この認知症サポーターを2017年度末までに800万人養成し,認知症に関する正しい知識と理解をもち,地域で認知症の人や家族を手助けできる人材を増やす「認知症サポーターキャラバン」を継続して行っていくとしている.
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