連載 目標設定のエビデンス・第5回
認知症領域における目標設定
赤坂 竜一
1
,
小山 貴士
2
,
大野 勘太
3
,
友利 幸之介
3
Ryuichi Akasaka
1
,
Takashi Koyama
2
,
Kanta Ohno
3
,
Kounosuke Tomori
3
1善常会リハビリテーション病院
2つくばセントラル病院 総合リハビリテーションセンター
3東京工科大学
pp.1152-1157
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202700
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はじめに
認知症者に対する作業療法の効果について,Bennettら1)のメタアナリシスによれば,ADL/IADLの向上,認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)の軽減,QOLの向上が認められ,介護者においても,ケア時間やストレスの軽減,QOLの向上が認められると報告されている.このようなエビデンスが認められている介入方法のほとんどで,認知症者と介護者が改善を望む生活行為ならびに意味のある作業の選択が行われていた1).作業の選択,すなわち「目標設定」のプロセスがポイントとなることが示唆される.
本稿では,近年エビデンスが示されている介入戦略である,認知リハビリテーション(cognitive rehabilitation.以下,認知リハ)とTailored Activity Program(以下,TAP)を取り上げ,目標設定の部分も含めて紹介する.
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