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特集 回復期リハビリテーションはこれでいいのか?
回復期作業療法における復職支援
Return-to-work support in occupational therapy for recovery
小野瀬 剛広
1
,
大仲 功一
1
Takahiro Onose
1
,
Koichi Onaka
1
1志村大宮病院 茨城北西総合リハビリテーションセンター
pp.1136-1140
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202696
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Key Questions
Q1:回復期作業療法に求められる復職支援とは?
Q2:職場との連携,試験的復職とは?
Q3:復職へ向けた家族への支援とは?
はじめに
脳卒中は,メンタルヘルス不調,がんに続き長期休職を必要とする原因の第3位を占め,企業における生産性を保つためにも脳卒中患者の就労支援は重要であるとの認識が高まっている1).脳卒中患者は,片麻痺,失語,高次脳機能障害といった多彩な後遺症を有し,極めて個別性が高く,復職の際にはそれぞれに応じたテーラーメードな対応が必要となる.特に障害の認識の問題は職場でのトラブルに発展しかねないため,本人と職場が適切に障害を理解して本人の強みを活かすためには,リハ医療の働きかけが必要であり,到達目標として患者が自ら周りに障害について説明できるように支援することが望ましいとされている2).
回復期リハビリテーション病棟の役割は,適切な医学的管理のもと必要かつ十分なリハを提供し,チームアプローチを駆使して,できるかぎりの機能向上やADL,IADLの改善を図り,可能なかぎり自宅復帰を支援することである3).これはそのまま,図1に示した職業準備性ピラミッド4)の基礎部分である「健康管理」,「日常生活管理」を固めていくことにつながる.
仕事は生活に欠かせないものであり,特に男性にとっては生きがいや役割であることが多く,退院後の生活の質に大きく影響する.本稿では,当院の回復期で実施した脳卒中患者に対する復職支援について述べる.
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