増刊号 脳卒中の作業療法 最前線
第4章 支援技術Ⅲ 生活期:生活の広がりに向けて
11 脳卒中後の運転と地域移動に対する作業療法
生田 純一
1,2
,
那須 識徳
1,3
Junichi Ikuta
1,2
,
Satonori Nasu
1,3
1農協共済中伊豆リハビリテーションセンター
2筑波大学大学院 博士後期課程
3東京都立大学 博士後期課程
pp.956-960
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202645
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背景
現代社会において,自動車は日常生活,社会活動で欠かせない移動手段である1).そのため,かつてできていた運転ができなくなることは,身体活動,社会的地位,経済的福祉の低下につながるとされている2〜4).特に,心身機能に障害を有した者は,自動車運転を行えないことで健康上の転帰が悪化し,医療費が増加,ケアへのアクセスが減少する可能性があるとされており3,4),移動手段としての自動車の必要性は高い.
しかし,自動車運転は機器操作に加え複雑な認知的判断・処理能力を必要とし5),脳血管障害の合併症はいずれも安全な自動車運転に影響を与える可能性がある.国内では,医師が運転適性に関する診断書を作成する段階で,医療職に自動車運転評価の実施を依頼されることが多く,医療機関にて対応に苦慮している現状がある6).
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