増刊号 脳卒中の作業療法 最前線
第2章 支援技術Ⅰ 急性期から回復期の基礎
1 —How toタッチ③脳卒中後の肩の痛み—脳卒中後の肩の痛みに対する評価とアプローチ
児玉 浩志
1,2
,
山本 伸一
3
,
松本 和美
4
,
稲田 尚徳
5
Hiroyuki Kodama
1,2
,
Shinichi Yamamoto
3
,
Kazumi Matumoto
4
,
Naonori Inada
5
1障害者支援センター 清流の郷
2大分大学大学院
3山梨リハビリテーション病院
4訪問看護ステーション メイプル
5佐伯中央病院
pp.773-777
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202604
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脳卒中後の麻痺側肩関節痛に対するエビデンス
麻痺側肩関節痛は,脳卒中リハにかかわる療法士であれば,比較的よく経験する合併症の一つである.麻痺側肩関節痛は,上肢機能,日常生活活動(ADL)の回復を妨げるばかりではなく,生活の質の低下,抑うつ状態への影響1),さらには,入院期間の延長との関連性2)も懸念されている.
脳卒中発症2,3カ月後が肩関節痛の生じるピークといわれるが,脳卒中発症1週間後に17%,2週間以内に55%,2カ月以内に87%,1年以内に75%の方が経験するとの報告3〜5)があるように,病期を問わず高い割合で発症する可能性がある.
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