連載 老いを育む・第7回
老いの生き方
柏木 哲夫
1
Tetsuo Kashiwagi
1
1淀川キリスト教病院
pp.1414-1415
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202345
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連載1回で2018年(平成30年)の日本人の平均寿命に触れましたが,先日発表された2019年(令和元年)の平均寿命はさらに延び,女性が87.45歳,男性が81.41歳で,ともに過去最高を更新しました.2020年(令和2年)9月,100歳以上の老人が8万人を超えました.2015年(平成27年)には「ベビーブーム世代」が前期高齢者に到達し,その10年後(2025年)には高齢者人口が約3,500万人に達すると推測されています.これまでの高齢化の問題は,高齢化の進展の「速さ」の問題でしたが,2015年以降は,高齢化率の「高さ」(=高齢者の多さ)が問題となっています.
私たちの寿命は延び続け,今では“人生90年”に手が届こうとしています.しかし一方で,自立した生活を送れる期間「健康寿命」が,平均寿命より男性は約9年,女性は約12年も短いことがわかりました.これは支援や介護を必要とする等,健康上の問題で日常生活に制限のある期間が平均で9〜12年もあるということです.長い人生,いつまでも元気に過ごすためには「健康寿命」を延ばすことが必要なのです.
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