--------------------
編集後記
中村 春基
pp.610
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202137
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
2020年(令和2年)4月16日現在,日本全国に新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が発出され,世の中,騒然としている.中国,米国等の取り組みと比較して遅く,対策の不足を感じる.現時点までに,世界中で最も適切に対処したのは韓国であろう.2月初めにある医師と,日本がとるべき対応を話したとき,その医師ははっきり「韓国を見習うべきだ」と言っていた.しかし,ここは日本であり,その環境で生きていくしかない.こんな時期であるからこそ,国民の健康と幸福のために,作業療法で何ができるか試されていると思う.読者の皆様,まず感染しない,感染を媒介しない,そして,困っている人に最大限支援する.そのように心がけて,医療,介護,福祉等の領域でしっかりと役割を果たしていきましょう.
さて,本特集は就労支援である.急性期,回復期,生活期での就労に関する取り組み等を書いていただいた.いずれの報告も,利用者主体であり,家族,会社,地域,社会資源,福祉等の幅広い知識と,それらに関係する職種との協業の能力が必要とされていることがわかる.病院では難しいと思われるかもしれないが,各氏の述べるように,次につなぐことは誰にでもできると思う.富永氏の記述のように,利用者の声を「聴いて,聞く」能力が大切である.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.