--------------------
編集後記
中村 春基
pp.96
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200826
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
特集「ロボットテクノロジーと作業療法」をお読みになり,どのような感想をもたれただろうか? ロボットという響きは,鉄人28号,鉄腕アトム等,幼少のころの「夢」へといざなう.そんなロボットが作業療法の商業誌で取り上げられること自体,時代の変化や科学技術の発展を感じさせる.そのような中,コンピュータ等メカニカルな技術に影響を受けやすい職種の順位が発表された(Frey CB, et al:The future of employment: How susceptible are jobs to computerisation? 2013).将来,ほとんどの職種が,電子化,機械化により,コンピュータ等に取って代わられると予測されるが,作業療法は,置き換えられにくい職種に挙げられた.それは,精神や感情といった,予測し難い領域を治療対象としていることが理由であると考えられるが,一方ではそれだけわかりにくい治療方法とも解釈でき,複雑な思いもある.今後ますます科学が発達する中,人工知能の開発にOTがかかわり,想像もつかない新しい技術を開発し,世界の人にそれが届けられれば素晴らしい.
前置きが長くなったが,本号の特集は,ロボットと,「リハビリテーション」,「作業療法」,「筋電義手」,「脳血管障害・上肢機能訓練」,「認知症の人に対するコミュニケーションロボット」等について,それぞれ執筆していただいた.いずれの論稿も実績に基づいた,説得力のある内容となっている.通して読んでいただけると,ロボットの概念が整理され,ロボット技術の作業療法への利用と,さらなる新しい活用のアイデアが生まれるものと思う.
Copyright © 2017, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.